恐れよ、と。 どこかで誰かが言った。 あの日、言えなかったこと。 愛してる。 大好き。 そう、誰よりも。 思っているのに。 髪も 指も 唇も 瞳も 何もかも 愛しているのに 愛おしいのに ・・・・・・時々無性に恐ろしくなるのは なぜ? 「・・・・・・泣いてるの? アンナ」 「近づかないでよッ!!」 「そう邪険に扱わないでよ。君の好きな葉は――」 ああ、 言わないで その先は 聞きたくない・・・・・・!! 「――僕の半身なんだよ?」 「それがどうしたってのよ・・・・・・」 「へぇ? 顔に出てるじゃないか。『そんなこと』」 びくっ、と思わず震えてしまう。 見透かされている。何もかも。 いやよ。 あたしの心を 見ないでちょうだい――!! 「『聞きたくない』ってね・・・・・・」 「弱いねアンナは」 「何よ・・・・・・」 「強いのかと思えば葉に頼りきって泣いている。依存症もいいところだ」 「ッ・・・・・・!!」 何よ。分かり切ったみたいに。 あんたなんかに分かられたくもないわ。 あたしの・・・・・・ あたしの心は・・・・・・ 葉にしか、分からないもの。 「ふふ・・・・・・お迎えが来たよ、アンナ」 「?!」 葉・・・・・・? 「アンナ!!」 「葉」 「大丈夫か? 何もなかったか? ・・・・・・ハオ!」 「なんだい?」 「お前・・・・・・ッアンナに、何をした?!」 「別に何も? 心配しなくても大丈夫だよ、葉」 ぞくり。 あたしのカラダが、震える。 「僕が欲しいのはお前だけだからね、葉・・・・・・」 「さわらなっ・・・・・・」 「触んなッ!!」 ハオの手は 何に触れることなく、 葉の手に 打ち落とされた。 「触んな。オイラにも、アンナにも・・・・・・」 「反抗的・・・・・・でもまあいいよ。僕は心が広いからね・・・・・・じゃあお休み、葉、アンナ。メメント・モリ・・・・・・」 ハオは居なくなった。 「なんなんよ・・・・・・あいつ・・・・・・」 あたしは、そのまま体中から力が抜けたみたいに崩れ落ちる 「アンナ?! アンナ?!」 ああ、葉の声が聞こえる。 今日もまた、 葉を見て―― 「アンナ、大丈夫か?」 「ん・・・・・・わかんない」 「そっか。じゃあ、質問変えんな」 「・・・・・・なあに?」 「オイラのこと・・・・・・嫌いか?」 びっくりした。 確かに、時々恐ろしくなることはあるけど。 あの男に瓜二つの葉・・・・・・ でも、そんなことは関係ない。 「馬鹿ね、嫌いなわけ無いじゃない」 恐れよ、と。 どこかで誰かが言った。 でもね。 葉がそこにいる限り あたしに恐れるモノなんてないのよ。 去り際にハオが呟いたことば 「メメント・モリ」 この言葉の意味を知るのは あたしが葉に抱かれて宿舎に帰ってから後のこと。 END あとがき 「メメント・モリ」 これは「恐れよ」という意味ではなく「死を思え」という意味なのだそうです。 わかりにくいかな。レンマギファンなら分かったかなぁ・・・・・・ ところで。 自分でも何が書きたかったのかわかりません。 でも、今日ブッ○オフで買ってきたマンキンアンソロを読んでたら無性に書きたくなって・・・・・・ パソコン親に没収されてるとか、 今日買ってきたポ○モンのダイヤモンド放置しっぱなしだとか、 そういうことが全部どうでもよくなって。 ただ、 書きたかったのだと思います。 ああ、伝わりにくくてすみません! |