きみのこと。


 一緒にいたわけじゃないのに。
 会いたいからと待ち合わせたわけじゃないのに。
 旅先で、幾度も、幾度も、出会うのだ。
「なにしにここに来たっと?!」
「君こそ何しに来たのさ」
 会うたび喧嘩腰で、自分でも馬鹿馬鹿しいと思うぐらいに。
 「また会えたんね!」って、素直に再会を喜ぶことは出来なかった。
 80日間。
 短いような長いような期間の中で、自分はどれだけ彼のことを知れただろうか。
 どれだけ、近くなれたんだろうか。


「助けてやったとに、なんばしょっとね!!」  


「そういえば服、着たんだね。なかなか似合うじゃないか」


「あんた……嘘ばついてたと? だまっとらんとなんとか言ってみいよ!!」」


「キミのぶんも作っておいた。……きっと、キミに似合うと思う。」


 自分のコトバひとつひとつがもどかしくて。彼のコトバひとつひとつがむずがゆくて。
 端的な恋心。
 気付くのには、少し時間がかかった。


「ルビー、」
 彼の名前を呼べるようになって。
 嬉しかった。


「どうしたの? サファイア」


 彼に名前を呼んで貰えることが。
 とてもとても──嬉しかった。


「なんでもなかと」
「またそれかい?」


 ああ。
 困ったように笑うそんな顔も。
 みんなみんなひっくるめて。

「あんたのこと、大好きったい!」





あとがきっぽい物体

何故かは知りませんがルサは人気があります。ポケスペでたぶん二番目ぐらいじゃないですかね。(一番はグリレOTZ)
そんなわけで私の中のルサ像。BGMにウバメのもりの音をおかけください。嫌な気分になれます。
結構お馬鹿な話ばっかり書いてるように思われがちな私ではありますが独白ものも書くの好きやねん!わかってくれよ!
甘酸っぱいの大好きさ!乙女なら胸にキュン!フォーエヴァー少女漫画。
なお、本編引用の台詞は一部改変してあります。