※オフ本のサンプル
※今までにweb上で発表した短編の再録集。収録タイトルは以下(赤字は書き下ろし)
ストレイシープ(ベク遊)
ヘロディアのいばら(ベク遊)
けがれなきこども(ベクセカ)
バッドエンド・ゲイム(ベク遊)
セカンドエンブリオ・ストーン(ベク遊)
花散夜ニ雪月花(ベクセカ)
きみと聖夜にくちづけを(ベクセカ・ベク遊)
とうめいにとけていくぼくらは(警遊)
鳥籠ロマンチカ(ベクセカ)
トップ・シークレット(警遊)
すべて暇をもてあました神々の遊び(ベク遊)
※特殊性癖を大いに含む18禁本です。高校生含む18歳以下の方には頒布できません。
※妊娠・産卵・尿道調教・乱交などの要素を含みます。ご注意ください。
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「トップ・シークレット」
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「すべて暇をもてあました神々の遊び」
トップ・シークレット
※尿道・アナル調教等男性向け寄り描写注意
「報告は、遊馬巡査」
男子トイレの個室、というあの独特の背徳感をそそる一種の密室に彼を招き寄せて俺は戸にもたれかかり、ほくそ笑んだ。男子中学生が個室に二人きりというそれだけでよからぬ空気が立ち込めているが、それだけでは済まされない。もしこのことがばれて、公になったとしたら二人は退学も免れないだろうし、それ以上のショックを世の中に与えかねなかった。まあそんなことには絶対にならないんだが。
「ほら……下を脱いで。全部私に見せてごらん。それから……後は言わなくても出来るね?」
「は、はい……」
遊馬はまだ赤みが差し、羞恥を隠し切れていない顔でしかし従順に頷く。ぎこちない手付きでズボンを下ろし、パンツも脱ぎ、制服の裾をたくしあげ、俺の前にその下肢を露わにする。
「いい子だ。きちんと言い付けを守っていたようだな」
「け、けーぶに、言われた、から……」
「当然だろう」
開帳された下半身を見て舌なめずりをした。遊馬の少年らしい恥部が勃ちあがり、ふる、と震える。それだけでも十分に「そそる」痴態だったがそれだけに留まらない。
彼の体は今まさに「真月警部」によって調教されている最中だった。太ももの際どい位置に括り付けられたローターのコードは彼の後腔に伸び、その中にすっぽりと機械が埋まり込んでいることを示している。先日まではアナルプラグを埋めさせていたが、今は趣向が変わったので付け替えさせていた。
更に上向いた男性器の、その先端、穴が空いているはずの部分にはシリコンの棒が引き抜くためのリングをぶら下げて突き刺さっている。およそ中学生の少年が身に付けるものではない――どころか生涯関わりなく終わっても何ら不思議のないその器具の装着を強要され、そのあからさまな理不尽に従っている。
この現実が、九十九遊馬の「真月零」という存在への盲信とねじ曲がった愛、そして服従心を確かに抱いていることを克明に映し出していた。はじめ、ばっかじゃねえの、と内心で笑ったものだ。いくら「上司」に言われたからといって流石にこんなことを実行するものか、と。
しかし九十九遊馬は真月零の言うことを疑いなく聞き入れた。当然のように未開発の幼い肉体でその歪んだ欲望を受け入れることを示して見せたのだ。その瞬間のゾクゾクと背を駆け上がっていく征服感、支配欲――は、言うまでもないところだろう。もっと、もっとという感情が俺の中に湧き起こった。
ではこの無垢故に愚かな少年を徹底的に俺好みの身体に作り替えて、その後、裏切ったら、と。
もう俺に縋らなければまともにいられない身体にされて、棄てられたら、どんな顔をするだろう。
魅力的な実験だった。
「ほら、報告」
「は、はひっ。ぁ、警部のご命令どーり、お尻にローター入れて、ン、授業、受けましたっ。警部がスイッチ入れると、ぶるぶる、ぁ、そう、今みたいにっ……ふるえて、おれ、おかしくなりそうだったけどがんばっ……あ、あ、あぁっ!」
「まだスイッチを入れて君の浅ましい屹立に爪をかけただけだ。こんなことで言い淀むようでどうする……続けなさい」
「ひうぅ……それで、ちんこには、けーぶがくれた、にょうどうぷらぐ? っていうのを入れて……もう先っぽなら痛くなくなって……ぁぅ、けど、その間ずっと出してねえ、から……」
「ふむ。どのくらいだったかな?」
「一日一回風呂場で……んん、おしっこ、する時以外……風呂はアストラル、来ない、から……一週間、ずっと……」
「それで放尿の瞬間に快感を覚えるようになったと。ふむ……大概変態だな」
まあ俺に言われたくはねえだろうがな。とはいえ俺自身にはそういう趣向はまったくない。俺にあるのは純粋な嗜虐趣味で、被虐趣味ではない。サディズム、ってやつか。
しかしそのどう考えてもネジの外れた要求に健気に応えようとするのだから、まったくこいつは愛おしい玩具だ。
「しかしそろそろその短さでは物足りなくなってきた頃なんじゃないか。さて……報告もきちんと出来たところで、次の『訓練』といこうか。準備は?」
「は……はい。だいじょぶ、れす……」
緊張か興奮か、或いはその両方からか。明らかに呂律が回っていないその有り様で何が大丈夫なのかと思ったが、こいつが大丈夫と言う時はまあ大丈夫なんだろう。
何せそのよくわからない「大丈夫」で俺の綿密な計画を邪魔してくださった。だからちょっとばかり特殊で、痛みを伴う行為でもこいつは笑顔で「きもちいいです」と言うし「はい」と頷くし「だいすきです」と俺を肯定する。
まったくこんな遊びが面白くないはずがあろうか? 俺はスラックスをくつろがせるのをまだ堪えて、次に遊馬にあてがおうと思っていた道具を取り出した。
鈍い銀色に彩られた棒。これで、遊馬は更に後戻り出来ない道に踏み込む、というわけだ。
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すべて暇をもてあました神々の遊び
※ベクター五人と遊馬及びゼアル四人との乱交注意
――どうしてこんなことになっているのかわからない。
お世辞にもそんなに広いとは言えない空間の中で、あちこちから猥雑な音が響いてきて少年の耳を犯さんとする。じゅぷじゅぷというとても綺麗だとは言えない水音。ぬちゃぬちゃという何かを舐めるような音。果てはパン、パン、という渇いた音まで、そのどれもが卑猥極まりなく、少年は思わず耳を塞ごうとする。
「多分無駄な努力だぜ、それ」
が、隣に座っている彼に諭されて力なく両腕を下げた。確かに、耳に指を一本二本突き刺したところでどうにかなってくれそうな音量ではない。
「まあ、なんでこうなってるのかはわからないけど……」
「ええ……本当に……」
「これをいつまでこの体勢を保って見続けていられるのか、ちょっと、わかんないな……」
そうぼやき、彼、「ゼアルサード」は少年、「皇子ベクター」の顔に手を掛け、思いがけぬ事態に慌てふためく彼の顔をくいと引き寄せてごく至近距離で「こうやってキスしちゃったらごめんな」と洒落にならない顔で忠告した。
一言で言えばそれは乱交会場だった。何故か分裂しているゼアル達を、同じく何故か分裂しているベクター達がそれぞれ好き勝手に犯している。サードと皇子のベクターだけが服をきちんと着て、性行為に及ばないまま漠然とそれらを見ていた。二人は恐らく組み合わせからあぶれて、ぽつねんと取り残されているのだ。
前後関係ははっきりしない。何が原因なのか、暗殺と隣り合わせだった皇子は「薬でも盛られたのかもしれない……」ぐらいのことは考えたがそれたけでは分裂している説明にならない。わからないことだらけだ。視線をやると、サードも頭を横に振った。
「俺の方を見られてもな。なぁ……『俺』ってあんな顔するんだ……」
感慨深いというふうでもなく淡々と事実を指し示す声。サードの人差し指の先には「真月零」に縋りつく「九十九遊馬」の姿があり、とても幸福そうに腰を揺らめかせて「真月」に何かをねだっている。がっついているふうでもある。とろとろに蕩けただらしない顔つきで喘ぎ、真月零との交わりに没頭している。
「いえ……私に聞かれても困るのですけれど。……あの、あれらは、『遊馬くんたち』なんですか。独立したそれぞれのゼアルではなく何かしらがリンクしていたり……?」
「いいや、意識も感覚も独立した別個のものだと思う。じゃなきゃ俺は今こんなに平然としてはいられない。ただ……ゼアルのベースは概ね俺……遊馬みたいだな。例えば俺は『サード』なんだけど、遊馬の考え方が根底にあって記憶も引き継いでる、って感じか? それぞれで肉体の特性は違うみたいだけど。お前のところは逆にどうなんだ」
「多分……似たようなものではないかと思います。私はこう、見てて気まずいだけで、全然気持ちよくはないですし……楽しくもないし……あのようなひどいことをしているのに何故あの『ベクター』は嬉しそうなんでしょう。もう意識がバラバラ。というより、本来は私が『九十九遊馬』や『ゼアル』を認識出来るはずもないので、ある程度の知識を『ベクター』から配分されてはいるのでしょうね」
「ふーん。やーっぱよくわかんねえな」
「ええ。でも」
「ん?」
「あれ、止める気はないんですか?」
「無理だろ」
サードは頬杖を付いて緩慢に言った。
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