※オフ本のサンプル
※赤馬零児×榊遊矢
※モブ遊と言うか遊矢が枕営業している非処女前提
※逆レだけど最終的にイチャイチャしてる
※なんか色々酷いし先走ってる
サンプル1
サンプル2(R18)





サンプル1




 知らない部屋だ。後ろ手に縛り付けられて、身体の自由は利かない。部屋中に見たこともなければ何に使うのかもよくわからないような機械が所狭しと置いてあって、そこから無数のコードやチューブが伸びている。
 榊遊矢はそれに悲観するでもなく、嘆くわけでもなく、小さな驚きのみをその目に映し出していた。拘束されている遊矢に今出来るのは、可能な限りの現状の把握と情報の収集。どうして、誰によって連れて来られたのかははっきりしているし、理由も分かっている。遊矢にはあまり焦りがなかった。そういうふうに、予め話がついていたからだ。

「遊勝塾ごと身柄を買い上げられるか、自分一人を差し出すのか、どちらがいいか選べ」

 赤馬零児が遊矢に突き付けてきた、最初で最後の自由意思で選ぶことの出来た選択がそれだ。遊矢が発現させ「史上初めて」この世で成功させたそれまではどこにも存在しなかった召喚方式、《ペンデュラム召喚》。その発生のメカニズムと召喚方法それそのものの独占が赤馬の欲するものだった。赤馬は舞網市を牛耳るレオ・コーポレーションの若き社長だ。
 一大企業を率いる赤馬は利益になるペンデュラム召喚を欲しがった。それは、理屈としてはよくわかる。
 沢渡シンゴとのデュエルで、決してペンデュラム召喚は榊遊矢のみが操ることが出来るものではないと証明されたわけだが――要するに二枚のペンデュラムモンスターさえ揃っていれば誰でも理論上は召喚可能なわけだ――それでも、遊矢が史上初めてそれを世に生み出したという事実は覆らない。遊矢がストロング石島相手に召喚を成功させた試合は公式試合であり、生中継で全国ネットに流れ、アーカイブスはインターネットで全世界に拡散された。「榊遊矢こそがペンデュラム召喚の第一人者」という認識は世界中で幅広い、というわけだ。
 ペンデュラム召喚を売り出していきたいレオ・コーポレーションとしては、その認識を覆すか、或いは遊矢を自陣に引き込む必要があると考えるのは必然の事だろう。だから遊矢も、遊勝塾を買収されるぐらいならと赤馬の取引に応じたのだ。精々レオ・コーポレーションの宣伝をさせられるとか、そのぐらいだろうと甘く考えていた。
(と、思ってたのは俺だけであいつは最初からそのつもりだったってことか……)
 部屋に設置された無数の機械類はこれから遊矢が繋がれる予定のものたちだ。赤馬はどうやら、遊矢の肉体を用いて実験を行う腹づもりらしかった。「死ぬことはない」と彼は言ったが、それは言い換えれば「死なない程度には痛めつけるだろう」という宣告と同じ。そんなことをしたって、遊矢自身にだってどうしてペンデュラム召喚が出来るようになったのかその理由はまったく分かっていないのだ。無駄に違いないと遊矢は確信していたけれど、それを赤馬が理解してくれるはずもない。
「立て、榊遊矢」
 見知らぬ白衣の男が遊矢の拘束を解いて早く立ち上がれと促す。白くて清潔な部屋に押し込まれ、身ぐるみを剥がれ、持てるものは全て奪われた。「お前が大人しく従う限り、俺は他者のデッキを強奪し我がものにするつもりはない」と赤馬は言っていたし、実験に必要だからという理由でいずれデッキは返して貰えるだろうけれどその他のものはどうなるんだろう。例えば、遊矢の私服。例えば、制服。ゴーグル。身に着けていたもの。財布もその中に入っていたけれど、……まさか大金持ちの彼がそれを盗るとは流石に思えない。
 どちらかというと遊矢の心配事は自分が「財布が必要になるような生活に戻して貰えるのかどうか」だった。無駄で愚かな心配事だ。今更になって「身柄を買われた」のだということが実感として追い付いてくる。遊矢は家に帰れない。今日も、明日も、明後日も、その先も。
 何故なら榊遊矢は赤馬零児の私物同然に買い上げられたからだ。遊矢を連れ去って好きにする権利と引き替えに、遊勝塾にはまとまった金が支払われた。勿論柚子達は猛反対したのを、「軽い気持ちで」遊矢が自ら赤馬の話を受けた。
 塾を守るために身を売るのは初めてじゃない。
 柚子も修造も知らないだろう。絶対にばれないように上手く立ち回ってきた。けれどあの塾は何度か立ち退き勧告や営業妨害の憂き目に遭っていて、それをいつも「どうにか」してきたのは遊矢だ。裏でこそこそと、密かに。汚いことだってわかってる。だけどいつもそれで上手くいったからそれでいいと思っていた。
 今回も、それと同じだと思ったのに。
(ベッドじゃなくて実験室だとか、聞いてないし……)
 いつもと勝手が全く違う。今更になってちょっと家に帰りたいとかそんな気持ちが湧いてきて、げんなりする。



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サンプル2


「こんなことをして何になる。榊遊矢!」
「なんにでもなるよ。俺のこと知りたいんだろ。同じで、俺は赤馬零児の事を知りたい。お互いによりよくもっと知り合うには、これが一番手っ取り早いよ?」
「では問うが、それが我が社の利にどうやって結びつくと言うんだ」
「俺がもっと素直に実験に協力して従順に情報を手渡すかも?」
 手慣れたもので、赤馬のきちんとズボンの中に仕舞われていた性器を取り出すのは彼が異常に気が付いてそう遊矢に問い掛けるよりも早く行われた。有無を言わせぬうちに舌先での愛撫に移行し、赤馬の思考を停止させる。動きを止める。ショウ・タイムの始まりだ。ここからはエンター・テイナーである榊遊矢の独壇場であり、そうでなければならない。
 赤馬はまだ何か言いたげだったが、「社の利益」をちらつかせたのが効いたのかそれで押し黙ってしまった。或いは、この連続して与えられる刺激にまともに頭を働かせることが出来なくなっていたのかもしれない。
「ん……む、く、ふぁ……」
 遊矢がちろとろと舌の先で舐めるのを止めて、ものを口腔に咥え込んでえづく頃には、萎えきっていた赤馬のそれも生理的反応に従ってすっかり肥大して硬さを持ち始めていた。今まで遊矢が見てきた黒ずんでえぐく、汚らしい中年男達のものとは違って赤馬の男性器は随分と柔らかく、綺麗なもので、だけれどそれでも少し力を入れてやればこうして形を変えていく。
「ふ、ぅ、ん、かわいい……。ピンクできれーなの、あはっ、血管……浮き出てきたよ?」
 口腔と舌先での奉仕は遊矢が最も得意とする奉仕方法だ。いつ誰に教え込まれたかはもう忘れてしまったけれど(だって覚えておこうと思えるほど興味のある相手じゃなかったし、覚えておくには相手をした数が多すぎた)、勝手に磨き上げられてしまったテクニックを遊矢の身体が忘れることは決してなかった。根元からなぞりあげ、甘噛みして先端を執拗に苛める。あーん、と大きく口を開いてぱくりと咥え込んだら、搾り取ろうとするように根元からじわじわいたぶる。
 赤馬は困惑の色を隠そうとしなかったが、遊矢を実力行使で排除するという考えには上手く至れていないみたいだった。まったく使われた素振りのない赤馬の性器から察するに、こんなことをするのは初めてで、もしかしたら自慰さえろくにしたことがなくて、聡明な分思考が現実に追い付いてこないのかもしれない。そうに違いなかった。脈打っているのを包んでいる頬肉で直に感じ、その先に望まれているものを感じ取ると尚更強くそう思える。

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