※オフ本のサンプル
※聖ソルとヴァステのソルが入れ替わってその時代のカイとスケベするやまなしいみなしおちなしえろ本
※サンプルは前半の聖ソル×第一連王の部分だけですが、後半でヴァステソル×十五歳カイもがっつり致してます
※連王様がちょっとスケベに積極的すぎるかもしれない(当社比)
※高校生含む18歳未満の方の閲覧はご遠慮ください

サンプル1
サンプル2(R-18)





サンプル1




―1―


 月明かりだ。
 ひたひたと息を潜めてはしるような足音に続いて、月明かりの、気の狂いそうな光が窓をくぐり抜けて室内へ侵入してくる。ソルはこの光が好きではなかった。日の光とどちらがましかと聞かれたら迷わず昼間の方だと答えるぐらいに嫌いだった。月は夜に寝覚める獣の瞳だ。月を見ていると、まるで自分が狼男にでもなったみたいに、ひどく凶暴な気持ちが足下からせり上がってきて、それでどうしようもなくいやなのだ。
 手元に、月と同じぐらいきらきら光を跳ね返す金色の髪で頭を覆った子供が寝ている。首筋の、普段はハイネックのインナーで隠れているあたりを起点にして、強く皮膚を吸われたことを示す鬱血痕を身体中に散らばしているその子供は見ての通り、情事を終えて眠りに就いた後だった。彼はすっかり安堵しきって実に気持ちよさそうに眠っており、隣にいる男が、月明かりに苛立ちを覚えて眠れずに頭を掻いていることになど、気付きそうにもない。
「……水」
 どうにも苛々を抑えられないままベッドから立ち上がり、小型の冷蔵庫に備えてあるウォーターボトルを手に取る。ヘッドギアをつけていても抑えきれない破壊衝動に襲われることがあるのは、決して戦場で大型ギアを討ち取ったその続きなどではなく、きまって、月の明るい夜に彼と寝た後だった。あのあどけない頬をセックスの興奮で紅潮させ、そのうえに白く濁った生臭い液体をぶちまけたあとなど、身体は異様なぐらいにすっきりとしているのに頭の中はもうめちゃくちゃだった。
 その「異常」が子供に欲情しているという罪悪感……などとは無縁であることにはもうとっくに気がついている。もしそれが少女であれ、娼婦であれ、少年であれ、とにかく、カイ以外の相手との交渉であれば一度だってこんな気持ちにはなるまい。こんな、まるで熟れる前の無花果を土足で踏みにじって、それからはっと我に返るような気持ちには。
 ただ、カイを抱いてから月を見上げると、気が触れそうな気持ちになって、身体中を凶悪で獰猛な衝動が支配するのだ。
 空になったボトルをゴミ箱に棄てて、カイがすっかり寝付いていることを確かめて窓から外に出る。この部屋はベランダも何もないうえに三階に位置していたが、こんな時間にドアを開けて廊下を歩き、階段を下って……という行程を踏むぐらいならここから飛び降りた方がいくらもましだ。それにソルの身体能力ならかすり傷一つ負うことはない。カイを部屋に残して行くことだけは多少気がかりだが、性交に耽る前の常として、カイが自らしっかりとドアに鍵を掛けているはず。

 ――おまえをみていると気が狂いそうになる、と耳元で囁いたら、彼は泣いてくれるだろうか。

 そんなことをぼんやりと考えて月明かりの真下に自由落下をしていると、なんだか本当に、狼男にでもなったみたいな気がした。


◇◆◇◆◇


「……どうなってやがる」
 地面に足をつけ、見上げた先に見慣れた騎士団の宿舎ではなく素知らぬ城を見上げてソルは呟いた。
 ほんの数秒で終わるはずだった落下は、いやに長い間続いた。常識的に考えて、三階の窓から飛び降りたというよりはエッフェル塔のてっぺんから投身自殺をしたとでも考えた方がしっくりくるぐらいの時間を空に彷徨うはめになり、さしものソルも違和感にタンクトップの胸元を掻きむしったぐらいだ。結果的にソルはこれといった怪我を負うこともなくきちんと足から着地をすることが出来たが、何か異様な力が己に働いているのは明白だった。
 永遠に続くかのように思われる不安定なフリーフォール。やたらと派手なあの魔女、紅の楽師に絡まれた時も、タイムリープに伴ってそのような感覚を覚えたことはあったように思う。ではまさかこれも? あの女の影は見えなかったが、そういうことなのか。しかしこの見たこともない巨大な城の存在も、そこにあってしかるべき宿舎がないことも、あの女が関わっていると考えれば不自然ではない。
 丁寧に剪定されて綻ぶ時を待っている薔薇のつぼみたちを背に、ソルはかぶりを振った。どうやらここはどこぞにある城の中庭らしかった。空には、騎士団でカイの部屋から見たものよりも幾分か穏やかな丸い月が浮かんでおり、時刻が夜であることを伺わせる。どうも夜から夜へと移動したらしいが、とにかく昼間でなくてよかった。これだけの城だ、昼にいきなりこんなところへ落ちてきたら間違いなく衛兵が飛んできて一戦交えることになっていただろう。紅の楽師に飛ばされ回した時は、冗談でなくそんなことばかりだったのだ。
「……あ」
 そんなことを考えていたからだろう、らしくもなく、後ろに迫る足音への反応が一瞬遅れてしまった。
「危ないな。いきなりそれは、ちょっとご挨拶じゃないのか」
 己を見とがめた人間を処分する――少なくとも意識と記憶ぐらいは奪う――つもりでソルが放った手刀を片手で軽く押し留め、いつの間にか背後に立っていた奴が困った風な声を出す。暗がりであることも手伝って、相手が男なのか女なのかよくわからない。指先は女めいて細いのに、ソルの手を留める手の力は男顔負けだ。
「誰だ……?」
 振り向いた先に人影を見つめてソルは呟いた。
 普段はそこそこに抑えている視力を一時的に引き上げ、まじまじと見たそいつは、見慣れた意匠によく似た服を着て、高い位置で長い金髪をポニーテールに結わえている。見慣れた、というのはつまり聖騎士団の制服に酷似しているということで、白を基調にして青と黒を差す、いわゆる「カイが普段着ている」ものと殆ど同じデザインだ。ただ一つだけ目に付くのが、右にもあるはずのケープがごっそりなくなっていて、そのせいでまるまる剥き出しにされている白い肩と、そこから繋がっている二の腕だった。
 ――似ている。
 ソルは直感的にそう感じて一歩後ずさろうとしたが、相変わらず腕を掴む力が強く、それは叶わない。いつも見下ろしている位置よりやや上に並んでいる両眼が、ちょうど暗がりに映り込めばこういう色合いになるだろう、という光をたたえてこちらを見てきているのに知らず冷や汗が流れ落ちる。ソルの知っている「それ」とは髪型も大きさも衣装も違えど、そういった言葉では言い表しきれないものがひしひしとそれを訴えかけてきている。
 まさか、嘘だろう。ソルは目の前の何者かから目を逸らせぬまま自問自答をする。こんな、夜闇に紛れて人の腕を急に掴み取ってくるような――少年少女の年頃でもあるまいに、一見では性別も不確かなような、こんな怪しい何かが、「彼」であるだなんてことがあるのか? ここがどこの時代であるにせよ……。
「なんだ、おまえか。幽霊でも見たのかと思ったよ」
 そんなソルの葛藤をよそに、その男だか女だかわからないと思ったやつは、はっきりとした男の声を出して軽い口調でそんなことを言う。
 もう一度落ち着いて耳にした男の声音は、恐ろしいことに、ソルの推論を決定づけるに足るものだった。
「幽霊見てんのは、こっちの方だ」
 めまいがした。
 カイとセックスしてしこたま吐精をしたあとに見る月よりもよほどひどいものを見た、としか思えなかった。魔性をそのまま人のかたちに煮詰めたような男はソルの有様をを見て「ひどいな」と苦笑したが、ソルの方には、苦笑いをしていられるような余裕すらない。
「しかも坊やと同じ声で喋る男女……ああ、まるっきり、幽霊でも見ている気分だ」
 苦々しげに言い棄てると、そいつはちょっと傷付いたような顔をしてみせ、でもすぐになんてことのない表情をするとソルの額へ無遠慮に手のひらを当てる。熱を測るような動作だったがそうではなく、何か、法術式を走らせているのだとすぐにわかった。
「何、してる」
「いや、いつのおまえだろうと思って。今、私の時代のおまえはこのあたりにいないはずだから、昔のおまえだろうというのはすぐにわかるんだが。連絡なしに帰って来られる状況じゃないしね。とはいえイノさんやアクセルにもここのところ会っていないから、何が原因なのかと思って」
「今の時代、なあ? それじゃここはやはり未来だと? だったらあの魔女が原因に決まってるだろうが」
「西暦二一八七年は、おまえから見ればおそらく未来だろう。けれど……うん、イノさんは関係ないな。おまえの身体からは、おまえと私の生体法力しか感じられない。ほら、チェックは終わったぞ」
「はあ……?」
 ソルの額から手のひらを離すと、そいつは妙に手慣れた様子でソルの手を引く。西暦二一八七年。教えられた年号は、ソルが昨日カイの部屋に掛かっていたカレンダーで確認したものより十五年もあとの数字だった。だがまだ、この怪しい金髪男がカイだとはっきり認められたわけではない。するとカイの先導に大人しく付いていく気になれず足を止めたままのソルを見て、そいつは困ったふうな――ちょっとうさんくさい――顔をして見せる。
「おまえが私を信用しきれないのは尤もだが、ちょっとここだと、これ以上の話がしづらい。場所を移そう。別に私はおまえを取って喰いやしないから」
 台詞も何もかもうさんくさかったが、ちょうど彼の顔に影を落とすような形で後ろに光っている月を見て、ソルは自分でも何故だかわからないまま、彼に従ってその場を離れた。




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サンプル2(R-18)



 赤黒く勃起した亀頭から竿にかけてを後ろから剥き出された腋に差し込んで前後させながら、今更のように「脱がなくていいのか」と聞くとちょっとまごついて「替えがある」というような旨のことが返ってくる。むしろわざとなんじゃないかというぐらい肩口が剥き出しになっているという理由で腋にねじ込んだのは自分だったが、いざそれを繰り返して欲求が高まってくると、汚してしまうのではないかという心配が過ぎったのだ。少年のカイは衣服が汚れるのを嫌った。戦時中で、あらゆるものは貴重であり、汚れた服を洗いに出すのもタダではないし、そもそも情事で汚すまでもなく返り血で汚してしまうのだから、こんなことで無為に汚くするぐらいなら事前に全部脱いでしまいたい、というのがその言い分だった。
 だが十五年後の彼にとって洗濯はそこまで徹底して避けるべきものごとではないようで、「何なら、そのまま出してもいいぞ」なんて悪戯っぽく言ってくる。無論本気ではないのだろうが、彼の真っ青に染まった前垂れに白濁が飛び散る光景を想像し、ソルは陰茎を腋に挟む力が少し強くなったのに必死で抵抗した。そんなところに出すぐらいなら彼の肌にかけたい。
「いいから脱げよ」
 腋についた柔らかい皮膚に擦られて張り詰め、見る間に逞しさを取り戻した性器を一度引き抜き、顎でしゃくってはやくしろ、と彼に指図する。別にそのまま出して良かったのに……と名残惜しそうな目でそれを見送り、カイは渋々と言った様子でケープを取り、上着を脱ぎ捨てて行く。それからズボンを脱ぎ、少し考えた末、インナーは着たまま、態勢を入れ替えてソルと向き合う。インナーまで脱ぐのが面倒だったらしい。確かに、あれを着たままでも行為にはそれほど差し支えないが。
「乳首が見えねえだろ」
 文句を付けるとカイが薄く笑う。
「そんなに見たいか?」
「ああ。十五年も経てばあれほどいやらしく男を誘うようになるんだから、乳首もさぞやおきれいなことだろうよ」
「なんだか含みのある言い方だな、それ。私だって誰彼構わず床に誘うわけじゃないんだぞ」
 仕方ないと言わんばかりにインナーを上へたくし上げると、存外に綺麗なピンク色をした乳首が二つ顔を出す。腋で扱いている間にカイも興奮していたのか、乳首はすでにぴんと立っていて、指先で弾くと少女のような声を上げる。
「こんなんでそんな声上げて、仕事になるのか」
 思わず本気で尋ねると、カイはむっとして頬を僅かに膨れさせ、じっとりした目でソルの乳首に逆に爪を立てて言い含めた。
「おまえに触られた時だけだ。おまえに。それもいやらしい気持ちで撫で回された時だけ。インナーが触れた程度で感じてるわけじゃない」
「なら、いいんだがな」
「悪いと思うなら、子供の私が戦場で困らないようには気を遣え」
「覚えていればそうしてやるよ」
「絶対覚えておく気がないだろう、それ……ひあっ?! ひ、ぁ、ひゃっ」
 ぐりぐりと指の腹で押し潰すようにこね回すと、あまり乳首への刺激には強くはないらしく、ねちねちと文句を付ける声もたちまち甲高いそれに色を変えた。下生えに隠れていたカイの性器がそれにつられるようにしてぐぐ、と形を変えていく。乳首を弄っただけで簡単に勃起するあたり、これは相当念入りに開発されているはずだ。それで思ったまま「変態みてえだな……」と零すと目尻に涙を浮かべながらきっと睨まれる。
「おまえにだけは言われたくない」
「さっき俺をベッドに押し倒した時な、坊や、淫魔に見えたぞ、俺には」
「そう見えるならそれで結構。大口叩いたからには、おまえが満足するまでと言ったが、私が満足するまで、徹底的に付き合ってもらうからな」
 そう言うと彼はじと目でソルを睨み続けたまま、いきなり身を屈め、ソルのいきり立った男根を口に含んだ。



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