○父と子

「父さん」
「・・・・・・シルバー」
「父さんに話がある」
 トスッ
「自首してほしい」
「・・・・・・そうか」
「純粋にトレーナーとしては・・・・・・オレも、それからグリーン先輩も、父さんを尊敬している。だけど父さんが今までやってきたことは間違いなく重度の犯罪だ。オレは、図鑑所有者の一人として、いや・・・・・・一人の人間として、父さんを許すことが出来ない」
「そうか」
 ガタッ
「お前も・・・・・・図鑑を持つ者なのだな・・・・・・」
「所有者達を知っているのか?」
「ふふ。レッドには随分と邪魔をされたよ」
「レッド先輩が・・・・・・まあ当然だろうな。あの人は一番正義感が強い。けれど、レッド先輩に限らず、彼等は皆フェアだ。罪に似合う償いをすれば・・・・・・あの人達は許してくれる。オレや、姉さんの時のように」
「お前も・・・・・・何か?」
「ああ・・・・・・オレと姉さんは図鑑を、そしてゼニガメとワニノコを盗んだ。盗まざるを得なかった。例え非合法だと罵られようと・・・・・・仮面の男を、いや、ヤナギを追い詰めるために」
 カタッ
「決して許されることではない。いかなる理由があろうとも。けれど償うことは出来る。父さん、頼む。自主してくれ」
「・・・・・・ああ、シルバー。約束しよう」
「・・・・・・ありがとう・・・・・・」
 ピ、ピ、ピ
「ひとつ聞かせてくれないか、シルバー」
「何です」
「お前にとって、他の図鑑所有者はどんな存在だ?」



「誇れる、仲間」



end



小ネタ第二弾。実は電子辞書に書きためてあると暴露してみる。あまり意味はない。
なんかこの親子「・・・・・・」多すぎるよ! と思ったけどそれは自分の技量のせいですね知ってます。
時期としてはナナシマ編の後さらに石化が解けたあとだからえーっと、フロンティア編のすぐ後ぐらいでしょうか。凡人G氏の呟きによるとナナシマ編からフロンティア編までは少なくとも2ヶ月あったようなのでサカキは全快してる気がしますけど気のせいですね。
シルバーはたぶん隠れ家に匿ってベッドに寝かせてた父が回復しかけてきた頃を狙って「自主してくれ」と頼みしかもポケギアでいつでも通報できる体勢なんじゃないかと。
ちょっと卑怯ですね。でもこの親子は時間をかけて距離を縮めていくのが必要なのではと。そのためにシルバーの頭の中を早く姉さん一色から解除しなければいけないんですけど
がんばれシルバー。脱シスコン。いつまでもグリーン先輩を睨んでるんじゃない! 「うるさい女だ」ってあれは彼なりの愛情表現なんだから(たぶん)