まだ、そばに居て欲しかった。
 もう少し、夢を見ていたかった。
 そう。
 望むらくは――三人、で。



夢見時


「ねえ。あんた、いつまで居座ってるつもり?」
「んー? 僕の気の向くまで」
「じゃあさっさと気を向かして帰って頂戴。仮にも王なんだからそんなにヒマそうにしてないで」
 葉にうつるわ、とぶつぶつ言ってアンナは縫い物の針を置いた。それはほとんどの家事を葉かたまおに押しつける彼女の、数少ない家事のための道具だ。
「別にオイラヒマそうになんかしてねぇだろ・・・・・・っていうか朝から働きづめだし」
「あんたにはなにも言ってないわよ。そのまま働け」
「うええええええ・・・・・・」
 かなり休みたそうに口からうめきが漏れるが、体そのものはすごすごと仕事に戻っていく。条件反射だ。この数年間で培われたもの。アンナに怒鳴られるくらいなら家中掃除してた方がまだいい。
「まあ・・・・・・しょうがないか」
 ため息を飲み込んで言うと共に、葉は少しばかりはにかむ。嬉しいやら、恥ずかしいやらごたまぜなのだ。
 あれから、ちょっとばかりいろいろあって。
 期間限定だけども――家族が、兄が、家の中にいる。傍にいるのだ。
 それは当初彼が思い描いていたであろう”ふたりきり”ではなく、アンナもいて友人も訪れる機会がある、そんな暮らしだった。
「よし。今晩はカレーにしよう。――なあ、アンナ、いいか?」
「ふぅん・・・・・・カレーねぇ。そうね。二週間ぶりならいいんじゃない」
「細けぇなぁ・・・・・・」
 アンナの記憶力の良さに毎度のことながら驚かされつつ、葉は「兄ちゃんは」と訊ねる。
「葉が作るものならなんでもいいよ。もうむしろ葉w」
「死ねばいいのに」
 ハオが言い終わらない内にアンナの(ある意味絶妙な)合いの手が入り、彼は笑ったままどこか哀しげな顔になった。



◆◇◆◇◆


 ごろん、と寝返りを打つ。隣のアンナの体温を感じながら、葉は少し前までの出来事を反芻していた。
(本当に・・・・・・あいつ、いなくなったんだ)
 それは信じられるような、そうでないような、曖昧な事実だった。精霊王となりグレートスピリッツを手にするためには死ななければならない。五百年も統治するのに、生きたままそれが出来るわけがない。解っている。そんなもの、理屈は解っている。
(やっと解りあえたのに)
 それでもなお、
(もう会えないんだ・・・・・・少なくともオイラが死ぬまでは)
 理屈ではなく・・・・・・感情は、解りたくなんてなかった。
「まだ、淋しがってるの?」
「すまん。起こしちまったんか」
「構いやしないわよ。たいした問題じゃないもの。あんたがうだうだしてるよりはね」
「うう・・・・・・」
 少女の、アンナの言葉はいつだって的確に核心を射貫く。それは勿論、今も。そうだ。淋しいのだ、自分は。
「なんか、アンナにはなんだってバレバレだな」
「当然よ。あたしはあんたの妻ですもの」
 それぐらいのこと、解らなくちゃ務まらないわ。彼女はそうのたまう。自信満々に。今の葉とは、対照的に。
「あいつ、近頃あんたに優しくしようとしてた。人間不信のくせに随分無理してたわ」
「やさ・・・・・・しく?」
「多分ね。なんとなく解ってたのかもしれない。こうなることを」
「でも、あの時オイラだけ引き留めた。それはあいつが一人勝ちするつもりだったからじゃないんか」
 王のコミューンには最初、葉しか招かれなかった。マタムネすらだ。もっとも、マタムネは単に居場所が掴めなかっただけかもしれないが・・・・・・
 そしてハオは知っていたはずだ。”自分一人だけ”が、一番葉の心を抉るであろうことを。知っていたからこそ、ああしたはずだ。それは「挫ける気が失せた」葉を、それでも挫けさせるためだったのかもしれない。現に葉は、その時抵抗することを諦めた。一時とはいえ、彼が”ヒト”という種の存続を断つことを、ただぼうっと眺めていようと思ってしまった。
「まあそう考えていたでしょうね。当然。どうでもいいものはばっさり斬り捨てるけど、本当に大事なものはきちんと護るのよ。それはあたしもあんたも、あいつも変わらないわ。ただ、あいつの場合はその範囲が狭すぎるだけ」
「自分の母ちゃんとマタムネだけだもんなー」
「あんたもよ」
「・・・・・・んん?」
「多分その中にはあんたも入っていたんだわ。葉」
「へ? なんで?」
 アンナの言っていることが理解できなくて、葉はぽけっとした顔をしてしまう。とたんにアンナの顔が不機嫌そうに曇った。いや、呆れているという表現が正しいのか。もっとも、暗闇で見えづらかったけれど。
「あんたって、本当におバカね」
「良く言われる」
「否定しないから更にバカね。なのに肝心な時はあたしの考えてることも大体解るのよね。そういうとこ、嫌い」
「・・・・・・・・・ゴメンナサイ」
「冗談よ。そういうとこも含めてあんたが好きなんだもの。あたしの心は寛大なの」
「そりゃあ良かった」
 見えないようにこっそり胸を撫で下ろして、(だって本当にドキドキしてしまったのだ。嫌われることを考えるとお先真っ暗になってしまう)それからアンナの瞳をまっすぐに見る。アンナは、瞬きをして葉を体ごと自分の方に引き寄せた。
「話、戻すけど。だから・・・・・・これはあくまで推測なんだけど、あいつがあんたに優しくしようと努めたのはきっと、自分の死期が近づいているのを察知したからだと思うの。あんたは自分で思っている以上にあいつと強固な繋がりを持ってるわ。血の繋がり、肉の繋がり、そして魂の繋がり。あんたはあいつにとって、母親に次いで初めて”肉親”だと思える相手だったのよ」
「魂の・・・・・・繋がり」
「そうね。あんた達は魂の在り方がすごく良く似てるの。根本的に嫌いなものが同じなのね」
「それ、兄ちゃんにも言われた」
 人間は、あまり好きじゃなかった。
 それを一発で見抜かれた。読まれていたのかもしれないけど、読まれなくてもバレていたのだろうか。
 だけど、何故葉がそれでも人間を救おうとしたのかは、なかなか解ってもらえなかった。不器用なのかもしれないな、とは思う。
 そういうところは、自分にもあるから。さっき、アンナに言われたみたいに。
「だからあんたの望むものの一部でも、実行してみたんじゃないの。ただ世間話をしてお茶を飲んだり、風呂に入ったり、同じ部屋で寝てみたり。そういうこと、考えたことあったでしょ?」
「んー、まあ、確かに」
 兄弟だって知ってから幾度か考えたことはあった。もし普通の兄弟だったら。なんでもないことを話して笑って。夕食やおやつの量で喧嘩したり、嫌いなものを互いの皿にこっそり寄せたり。もう少し幼かったら、風呂に入って素潜り対決とかもしてたかもしれない。
 それが叶うはずのない夢想だと知っていても、考えずにはいられなかった。麻倉の使命なんてくだらない。ハオがああいう人間だと知らなければ、そう思っただろう。
「でも不器用というかバカだから最後まで優しくは出来なかったみたいだけどね」
「あー、うん。中途半端だなー」
「あと、あんた一卵性だから顔そっくりでしょ。あいつナルシストだから自分に似た顔がきっと大好きなのよ。それもあんたに優しくした理由のひとつだと思うわ」
「・・・・・・それは、どうかなぁ・・・・・・」
「絶対そうよ。あんたを見る度にうっはうはだったもの・・・・・・あたしには解るのよ。あんたを狙う害虫の匂いが」
「・・・・・・害虫なんか・・・・・・」
 アンナは布団の中だというのに拳を握りしめて力説する。心なしか顔の鼻から上にかけて陰がかかったように見えた。目の錯覚だと信じたい。
(いろいろ・・・・・・心配させちまったな・・・・・・)
 アンナは強いけれども。少女なのだ。本当は男である自分が護ってやらなきゃいけないのに、なんだか護られてばっかりみたいな気がした。そう言ったら彼女は否定するかもしれないけど、でもやっぱりそう思う。
「アンナ」
「・・・・・・なに」
「ありがとな、心配してくれて」
「別に。礼を言われる程じゃないわ。・・・・・・あんたがいつか離れていったらどうしようかって心細くなったりしただけ」
 アンナの思いがけない一言に葉は目をぱちぱちさせた。かわいい、なんて言ったら蹴られるのかなぁと一瞬考える。
「まさか。オイラがアンナを置いてくわけないだろ」
 キスしたら少し顔を紅くして、嘘つき、と優しく言われた。



◆◇◆◇◆


 もしも、願いがひとつだけ叶うのならば。
 少しでいい。一緒に、みんなでいよう。
 それはわがままな願いだけど。
 万能の死者になら、叶えられる願いだから。



◆◇◆◇◆


 朝の日差しが、葉に届くのを誰かの影が邪魔をする。こんなに髪が長い奴ってだれだっけ、と考えてから葉は顔面蒼白になった。
「やあ、おはよう弟。よく眠れたみたいだね」
「・・・・・・ハオ?」
 ずざざざーっ、と反射的に”それ”から遠のいて、体中を強張らせる。何が起こっているのか、頭の中で整理するのにまだまだ時間がかかりそうだ。
「特別出張中だから”兄ちゃん”でいいよ。というわけで朝ご飯にしよう」
「特別出張って、」
「葉のお願いが聞こえたから張り切ってみました。すごいだろ」
「・・・・・・バカ? っていうかお前死んだんじゃなかったんか」
「シャーマンキングはなんでもありなんだよ。ほら着替える」
「お、おおお・・・・・・?」
 もたもたしてたら後ろから着流しの帯を締められた。



 がちゃん、と盛大な音がして茶碗がひとつ割れた。仕方ない。この状況下においてはたまおのリアクションは至極真っ当なものだと言える。むしろ無反応のアンナの方が解せないのだ。でもまあ彼女は葉が寝ている間に対面を済ませていたのかもしれない。むしろそうでなければいけない。
「あー、たまお、茶碗は気にせんでいいから。とりあえず朝飯もう一人前増やしてくれんか」
「は、はいっ・・・・・・」
 相変わらず兄はニコニコしてて、その分無表情で新聞を捲るアンナがもの凄く恐ろしかった。そういえば昨日「害虫」と彼女は兄を評していたが、ひょっとしてそれが関わっているのだろうか。
 だとしたら傍にいたことを理由に葉が巻き添えになる可能性は否定できない。葉はそんな懸念からハオとの距離を出来るだけあけようと試みたが、マウスカーソルの飾りみたいに追随してくるので残念ならそれは叶わなかった。
「・・・・・・なあ。本当なんでここにいるんだ。夢か? むしろ夢だよな?」
「ちっちぇえことは気にしないの。あとこれは現実。葉の願いから生まれた僕からのプレゼントだよ」
 ハオは受け取れ! というような動作をしたが葉はそれをスルーすることに精一杯努めた。
「まったく、かわいいなぁ」
「死ねばいいのに」
 アンナと葉の思考、言動が著しく似通ってきていることに気づいたのは、その日からもう少し後の話だ。



◆◇◆◇◆


「・・・・・・それで結局、いつまで居座るの。この際はっきりして頂戴」
 カレーを口に運びながらアンナが言った。
「・・・・・・えーと、言っちゃっていいのかなぁ・・・・・・けっこう大事なことなんだけど。聞いても後悔しないかい?」
「しないわよ」
 きっぱりと、即答だった。
(でもなんだ? 聞いて後悔するような大事なことって)
 葉は少し考えたが全然解らなかったので素直に兄の答えを待つことにする。
「・・・・・・いいんだね? 後で怒っても知らないよ。もしかしたら、まだ知りたくないことかもしれないし」
「いいからさっさとお言い。勿体ぶるんじゃないわよ」
「 あー、もう、解った。解った」
 一呼吸空けて、ハオはすごく言いづらそうに、それでも表現はぼかして答えた。あまりぼかしたことには意味がなかったように思えたけど。

「僕の初甥が生まれるまで。だいたいあと七ヶ月ぐらいかな」

 アンナの手が固まって、たまおはスプーンを床に落とした。
「へー、そうか。男の子出来たんかー」
「うん男。ごめん、やっぱり言わない方が良かったかな」
「いや、別にオイラは構わんのよ」
 でも葉はのんびりしていた。
「なんっであんたはそうのんびり構えてられるのよ!」
「え? なんか困るっけか」
「あたし達いくつだと思ってるの?!」
「えーと、15」
「そうよ。世間ではまだ中学三年なの」
「あ、やべっ、まだ復学してねぇ。高校上がれっかな」
「そういう話じゃなくて!」
 バン! と机に両手を叩きつけてアンナは立ち上がった。般若だ。背後に燃えさかる炎につつまれた般若が見える。
「世間体の問題よ! 子供を幼稚園に通わせる頃に私たちはまだ大学生なのよ?! というより茎子と木乃がなんて言うか! 葉明はじじいだから絶対に怒鳴られるわよ。ああもうあんたそれ解ってる?!」
「・・・・・・考えてなかった。でも一番うるさいのは父ちゃんだと思うぞ」
「幹久はどうでもいいのよ。それに病院行けないから本家に行かなきゃいけないじゃない」
 病院に行きたくない理由は、これまで捲し立てられた内容からさすがの葉もすぐに理解できた。
「まあまあ、アンナ、言ってみるまでわかんねぇって。それにオイラいつ死んでもおかしくなかったから言い訳はできる」
「・・・・・・それは、そうね。主にそこのバカのせいで」
「えー、僕? 僕は葉は殺さないよ」
「いや、最後殺された」
「だってあの時は人間全部滅ぼすつもりだったもん。魂抜かれただけだから葉は楽に死ねたんだよ。地上にいる奴らは天変地異起こして皆殺しにするつもりだったんだから」
「あー、その話はもういいや」
 兄の夕飯に不釣り合いな発言を適当に流して、葉は皿の中のカレーを完食すると席を立った。
「とりあえず電話、かけてみよう」
「・・・・・・好きにして」
 受話器を手に取り、ダイヤルを回す。三回ぐらいコール音が鳴り響いて、茎子が電話口に出た。
「もしもし。・・・・・・母ちゃんか。うん、あのな、実は話があって」
 そこまで言ったら突然後ろから受話器をひったくられた。ハオだ。何を話すつもりなのか。というか、混乱が起きそうで怖い。葉はとりあえず電話の設定をルームフォンに変えた。これで全員会話を聞ける。
「やあ、茎子かい? 突然すまないね。大事な話があるんだけど、こういうのはとりあえず本人じゃなくて第三者の口からの方がいいから」
『・・・・・・ハオ、なの』
「うん。まあとりあえず話は聞いてよ。単刀直入に言うとね、アンナが葉の子を身ごもった」
『冗談でしょう』
「いや、僕冗談言うキャラじゃないでしょ。嘘はつかないよ」
 しばらくハオに向けての茎子の言葉はなかった。その代わり、「お父さん」と茎子が葉明を呼ぶ声が聞こえた。何事か、と慌ただしく走ってくる祖父の足音が葉の耳にも聞こえたような気がした。
『葉王が、アンナちゃんが身ごもったって』
『・・・・・・ハオが?』
『ええ』
『貸しなさい』
 まさか会話が全部四人に聞こえてるなんて思いもしないだろうな、と葉は少し申し訳ないような気分になった。それに、兄のことも。どうせ言う必要なんかないだろうと思っていたから、本家には彼が来ていることをまったく報告していなかったのだ。
 根掘り葉掘り訊かれたら面倒そうだったからだ。怠慢である。
『何故そこにいるのか、は聞くだけ無駄なことなのだろうな。・・・・・・して、真か?』
「本当だってさっきからずっとそう言っているだろ。そんなわけで、あと数ヶ月したらそっちに行くと思うよ。生まれるまでは僕もこっちにいるから、久しぶりに出雲に戻るかもしれないね」
 久しぶり、というか出生以来だ。
『・・・・・・そうか。葉に代わってくれ』
 ハオに差し出された受話器を受け取りながら、葉は小さく「案外あっさりなんだな」とつぶやいた。「多分蓮とかの方がうるさく反応してくれると思うよ」、とハオがそれに小さく返答をした。
『・・・・・・葉。どんな風かね? そちらは』
「別に、オイラは大丈夫だよ。兄ちゃん、全然働かないけど。それ以外は、何も」
『そうか。良かったな』
 なんとなくだけれど、受話器越しの祖父の顔は、笑っているような気がした。



◆◇◆◇◆


「お邪魔しま・・・・・・す?」
 友人達の元気な声が一瞬で凍り付いた。
「誰だ貴様は。そっくりさんか。そんな奴いてたまるか」
「蓮ー、言ってることが支離滅裂だぞ。まあ気持ちは解らんでもないけどな」
 日本に残っていた蓮とホロホロに連絡がついたので、とりあえず一度呼んでおこうと思ったのだ。反応を知りたかったというのが大きいが。
「やだなあ、僕は僕だよ。まさか蓮、僕のこと忘れちゃったの?」
「止めんか気色悪い! 忘れたくても忘れられないわこの馬鹿面!」
「それ、葉も馬鹿面ってことだよ」
「間違えた。なら間抜け面だ」
 葉は苦笑いをして彼等を奥に通す。アンナのお腹を見たらもっと驚かれるだろうな、と思った。



 案の定固まられた。
「・・・・・・!!」
「・・・・・・?!」
 二人は無言で葉を見た。それは訴えるような目つきだった。「お前、やっちゃったのかよ!!」「貴様、何をやっているんだ?!」二人の言いたいことはこんなところだろう。
「いやー、まあ、妊娠八ヶ月だってよ。びっくりだよな」
「俺は貴様の阿呆さ加減に驚きだ」
「さすがにこうくるとは思ってなかったぜ・・・・・・いや、思えば初めて会った時からおめえには驚かされっぱなしだけどよ・・・・・・」
「ははは、葉は僕に似て手が早いんだよねー」
「兄ちゃんは黙れ」
 葉は笑顔のままぎりぎりと兄の腕を締め上げた。後ろで二人がアンナと葉を見比べてコソコソ話していたが、気にすることじゃない。
「そういえば、まん太には伝えたのか?」
「ああ、うん。まん太は兄ちゃんを見てぎょっとしたけどアンナを見たら普通に『おめでとう』って言ってくれたぞ。次の日菓子折持ってきてくれたし」
「・・・・・・まん太すげぇ」
 ホロホロの言葉に、「まったくだ」、と蓮も同意した。



◆◇◆◇◆


 いなくなるまで。
 夢を見ていよう。
 現実の夢。夢のような現実。
 万能の死者が叶えてくれた願い。
 それが都合のいい妄想でないのならば、
 この時間が、終わるその瞬間まで――




"end" or "to be continued?"



あとがき
 ええと、途中から(最初から?)支離滅裂度クライマックス! というノリになってましたが全力スルーの方向性で。なんかこのまま書いてるとどこまでも書いていけそうですごく怖かったです。少なくとも花坊が生まれるまでは書けたんじゃないかと思います。
 公式発表された「シャーマンファイト本戦は良く考えたら五日しかなかった」という事実に面食らったもんですが(その五日にかかったコミックスの巻数は・・・・・・ええと、ジャンプコミックスでは20冊近いんじゃないでしょうかね。完全版でも17冊ぐらいかな? 今手元にないんで細かく覚えてないんですけど)そうすると花坊は終了後につくったことになるような気が・・・・・・気のせいか。だってそうしたらあの人たちガチに中三で(以下略
 でも私はそんな夫婦だからこそはまったんだよ・・・・・・日本の法律なんてクソくらえだぜ。
 そういえばウルティモでも大和の母親が一億ネコババしてましたし、武井は日本の法律を破るのが好きなのかもしれないですね。勿論二次元世界限定の話ですけど。
 お兄ちゃんは基本的に護ると決めたものは溺愛すると思うんです。なんでもかんでも行きすぎる節があるんじゃないかと。お母さん大好きでマザコンだから人間滅ぼそうとか思うわけですよ。迷惑な話だ。
 だから弟もすごく愛してると思うんですよねー。実際どうなのかな。
 でも誰かを愛するのは悪いことじゃないと思うんです。すごく「生きている」生物らしい感情だし、方向性や度合いを間違えなければ素敵なことのはず。
 ・・・・・・なんか、恥ずかしいけど。