天使黙示録

用語集


主に捏造した部分の用語についての説明。だいたいあいうえお順。



ID
 全ての生命体に紐付けられている固有のナンバー。天使キスクの《EXAD215711202167120416》は《エクストラアドミニストレータ・カイの生年月日・カイが入団した日・末尾適当な数字》という構成になってたり。人間カイのナンバーは頭のアルファベット部分だけ人違う。イノの《XXAD1978112519649257》は《アドミニストレータ・モデルになった人の生年月日・中の人の生年月日・末尾7》だったと思う。ジャック・オーの《VVEX19992074878721114》は《ヴァレンタインエクステンド・再起の年・アリアが日本を吹き飛ばした年・あとは適当》という感じ。
 特に深い意味はない。

インテグレート・ポイント
 歴史の転換点のこと。この話の中では「再起の日」「カイ=キスクがソル=バッドガイに助けられた日」「ローマ会戦或いは撤退戦」「ラムレザル・ヴァレンタインの宣戦布告」などが該当する。
 原作ではサインアーケードエピソードモード(イノルート)等でイノが口にしているところが確認出来る。文脈からして、恐らくは歴史の転換点の意味で大差ない、はず。

共通言語
 エスペラント語のこと。かつてどこかの大会かでミギー御大が「GG世界の共通言語はエスペラント語(なので、人種に関わりなく会話が成立している)」というようなことを語ったというエピソードに基づく。その割にはカイの「HOPE」とかソルの「FREE」って英語じゃないですか?というのは気にしない。古典なんだろうきっと、という解釈。
 作中ではエスペラント語が全世界共通言語にまで浸透した理由に「法術の基礎記述フォーマット」という解釈を採用しているが捏造。日本人が激減している関係で日本語はほぼ絶滅言語だろうし、梅喧闇慈しかもうネイティブいなさそう。他に使ってるのチップのスシスキヤキくらいでは……。自己解釈の中では英語は最もポピュラーな古典という位置づけ。作中で出てきた孤児は、由緒(だけ)ある(しか残らなかった)没落貴族が頑なに英語以外を使おうとしなかったというバックボーンによりエスペラント語が使えなかった。多分クイーンイングリッシュなんだと思う。
 当然だがカイは英語も出来る。フランス人という設定なのでフランス語も趣味程度にはたしなめるのかもしれない。でも多分全部独学である。バッドガイは英語が母語だけど。となると彼にとってはエスペラントこそが第二言語なのかな。
 余談だが作中の会話は
「……Where is your mother. Died? Are you alone?(母親はどうした。死んだのか? テメェ一人か?)」
「……Can you speak English? Are you my brethren?(……英語が喋れるんですか? あなたは同胞ですか?)」
「Just answer the question. Want to die?(黙って質問に答えろ。死にてぇのか?)」
 というニュアンスで書いてるけど(やや意訳)悲しいぐらい英語が苦手なので間違ってたら生温かく見守ってください。

再起の日
 一九九九年のどこかの日で起こったとされる、電子機器が一斉に使用不能になり(正確には電子回路を媒介にヴァレンタインと思しき啓示の尖兵が現世に顕現しようとしたのではないかと思われる)旧文明と決別に至った日のこと。第一の男はあらかじめこの日を予見していた。これ以降、第一の男と思われる人物が法力を実用化したりそれをフォーマット化して科学者に配布したり(配布された、とGG2でフレデリックが言ってた)聖皇庁が発足したりして、歴史は大きくその姿を変えていくことになる。
 作中では特に捏造はしていないが、個人的にこの日がアクセルのいた歴史(私たちが住んでいる現代社会と仮定)との転換点だと踏んでいる。

ジャック・オー=ヴァレンタイン
 長らく存在しか明かされていなかったあの男の第三の側近。レベレーターアーケードエピソードモード(ジャック・オールート)によれば、「ヴァレンタインシリーズの完成形」「フラグメント化されたアリアの記憶データを統合し、ジャスティス個体としての情報セクタを上書きする……素体復元ユニット。ユノの天秤を人類に還元する役目」であるらしい。また、自身がユノの天秤であるためにヘブンズ・エッジが落ち着く、という旨の発言もしている。ソルが見た瞬間アリアを感じて動揺したが、目の色はアリアのエメラルド色とは違いベリーピンクで、中の人も違ったりする。未だ謎が多い。
 この話では、ユノの天秤を人のかたちに押し込めた存在であり常時ユノの天秤と接続することで「全ての確率事象と同期されたあらゆる確率事象を把握した存在」という役割を担っている。天使キスクにとどめを刺したのは最後に滅んだ確率事象の彼女だが、イノに洗いざらいぶちまけた彼女とは別個体。色々ややこしい。

ソウルシンカー理論
 元々はGG2に出てきた単語。GG2でサーヴァント等が召喚出来る(魂を現出させる)ことに対する一連の会話の中でソルが発言した言葉だが、詳細は語られていない(というか確かサインのライブラリにも採用されてない)。
 この話の中では上記の通り魂を現出させサーヴァント等の形にするという意味合いで「人の魂をコード化し媒介にすることでバックヤードへアクセスするための理論」みたいな感じで書いている。そういえばシンのサーヴァントは幼い頃に見たイリュリア正規軍をイメージしてシンが思い描いた想像上の兵士達なのに対し、カイのサーヴァントは(ライル隊と加護の件からして恐らく)実在する本物の兵士、生きている人間にバックヤードの加護術式を施したもの、であるのは意味深な感じがする。
 引き合いに出ている「ガイア理論(ガイア仮説)」はラブロックが1960年代に提唱した「地球を巨大な一個の生命体である」と見なす実在の仮説。発表当時はボロクソに言われていたものの、1990年代ぐらいになるとネイチャー誌等に肯定されるようになり、現在はほぼ公認の理論とされている。

第一の男
 第一インテグレート・ポイントである「再起の日」を予言し(引き起こし)、人間のカイに天使のIDを付与したこの話の黒幕みたいな人。「人類で史上初めてバックヤードへのアクセスを成功させ、あの再起の日を予言した数学と物理学の天才。後に聖皇庁を発足し法力を実用化させるに至った」という部分は家庭用ライブラリに書いてあった通りだが、本当に二十一世紀最大最悪の罪人かは定かではない。あの男が師事したという部分は考察半分(あの男使徒説より)。とにかくすごいなんでも出来る人っぽいのに今のところ二次複製が禁止されている伝言をアクセルに託したぐらいしか原作では役回りがない。個人的にはRevelatorの意味する啓示者とは彼のことなのではないかと睨んでいるが真相は家庭用待ち。

天使
 この話の中では「絶対確定世界」における《カイ=キスク》のこと。広義には聖騎士団で囁かれていた彼への敬称としての意味合いも含むが、大体の場合、「世界を存続させるための秩序が人のかたちをしたなにか」を指す。背中から羽も生える。明らかに人間のものでもギアのものでもない体組織をしているらしく、その強度はソル=バッドガイの肉体を一撃で貫くほど。
 彼は「天使」である故に決して人間としての幸福を最後まで享受することは許されなかった。イノに教唆された後、自らの秩序としての使命に背くことで権限とIDに傷を付け、以降の世界ではもう二度とカイ=キスクは天使にはなれなくなった。

ヘブンズ・エッジ
 正確には「Heavens Edge」。もしかしたらヘヴンズ・エッジかもしれない。ジャック・オーのホームステージ。レベレーターアーケードエピソードモード(ジャック・オールート)では彼女に「あり得た未来の墓」と形容されている。
 元ネタは恐らくアメリカのロックバンド「Heavens Edge」。1987年に結成され、1990年にはバンド名と同じ名前のアルバムでメジャーデビューしている。その後自然消滅したが、九年後に再結成し二枚目のアルバム「Some Other Place Some Other Time」を発表した。

魔器
 イノのこと。レベレーターアーケードエピソードモード(イノルート)等にてジャック・オーの口から語られている単語。
 彼女曰く、「生物の強い念が宿り、ただの物体が意志を持つことがあり、それを魔器と呼ぶ。聖戦時、明日を求める願いの力はかつてないほどに強く、結果として魔器を作った。その強い念が宿った物体は……バックヤードそのもの。すなわち森羅万象の理が一つの生物になった。バックヤードは、これを世界を崩壊させるエラーと認識した。だから人の体にその意識を封じ込め、あらゆるイレギュラーな権限を与えることでそれに対処した」とのこと。この部分に関しては特に捏造はない。

ユノの天秤
 原作ではレベレーターから単語のみの登場でジャック・オーがこれらしいこと以外詳細は一切不明。この話では、何度も繰り返されている確率事象の実験結果を全て集積しているバックヤードの保管庫みたいなもの。本来はバックヤードに付属された一機能に過ぎなかったが、第一の男とあの男によって「ジャック・オー」という人型に定義され、その結果大規模なタイム・パラドクスを引き起こす。

リバースバベル
 共通言語の欄で書いた通りこの世界ではエスペラント語が広く使われているとした上で、急速に全世界を一言語が統一していった現象を皮肉ってこう言われる……というような超どうでもいい裏設定に基づいて入れた単語。元ネタは勿論はじめは一つだった言語を幾種類にも分けたと言われている旧約聖書の「バベルの塔」からだが、ネーミング自体は「スプリガン」の五巻からきている。勿論GG本編とはなんの関係もない。






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