あとがきに寄せて
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございました。二年という少なくない歳月を完結に費やしたせいで終わったという感慨よりも後悔と反省の方が先に出てきてしまいます。終わりから始めまで粗と拙さばかりで出来上がっている小説ですが、きちんと完結することが出来ただけでも良かったとも思います。
風呂敷を始めで広げ過ぎたり、回りくどく大仰に書いてあったり、冒頭のぽえむもどきが素晴らしく恥ずかしかったり、色々と直したくても直せない箇所が多すぎてばたばたのたうち回っている次第ですがいかがでしょうか。前振りがいっそ無駄なまでに壮大だった割には、呆気ない終わりだったのではないでしょうか? けれど飽きたから適当に終わらせたというわけではなく、二年前、始めた当初からこのような形で締め括るつもりでいました。まあ、当時のノートには「そして伝説へ(ドラクエ三)」とか「三人で神になる」とか相当適当なことしか書いてなかったので物凄く苦労したんですが。
書き終わってから「うん、これ、半分ぐらいの長さで良かった」と思うぐらいに蛇足が多くて青くなったり青くなったり蒼白になったりしましたが、あと一話あたりの文量が今見返すと絶望的に少なくて話数稼いでるようにしか思えない苦しみと戦ったりしましたが、丁度いいのでぴったり百話で終わらせてみました。そのせいで最後の数話は分割する必要のなさそうなところで切れているかもしれませんが、それは百話になるように調整をして稼いでいるからです。悪しからず。
最後の数話といえば、時期が大分開いてしまっているので文体が多少?変わっていますね。成長してるといいんですが、斜めに行っているだけのような気がしなくもないです。
書いているうちに皆勝手に色々なことを喋って走って行ってしまうので追いかけるのが大変でしたが、その中でも特に予想外の動きをしてくれたのがダークリンクでした。まさか水の神殿の中ボス(笑)があれ程までに重要な動きをするとは露程も思わず。私は依存関係を描くのが好きで好きでたまらないので、恐らく都合上早々にフェードアウトしてしまったゼルダの代わりにリンクが依存する対象を無意識に求めてああなったのだと思うのですがそれにしても中二気分が抜け切らない中学三年生の考えることは恐ろしいものです。今も抜けてませんけれども。
ゼルダは主人公のキャラクター性を受け手に自由に捉えさせてくれる作品なので色々と好き勝手に解釈させていただきましたが、その中でもぶっちぎりでダークさんがぶっとび度一位だと思われます。次点、誰だろう。初代さんかトワプリさんかな。え、ムジュリン?
愛したあまりに心が壊れてしまった少年との狂おしいまでの純愛、みたいなものが一応作品のテーマだったのかな?というふうに思います。君のことが好きだよ、という当たり前の気持ちを描いてみたかった。恋をするということ、好きになるということ、そういうことを、奈落のどん底に突き落としつつ考えてみた作品でした。
長編を書いてみるのも初めてで何もかもが目新しく、挑戦することが多く、コンスタントに文章を書くことが出来るようになったという点では多いに寄与するものがあったのではないかと思います。ただ終盤のリンクの台詞を打っていて「似たよーなことを、この前、十代さんにも言って貰った気がする……」と首を捻ったことからして引き出し足りないというか、どんだけ、相手を渇望するシチュエーションが好きなのだろうか、とは考えました。どうも登場人物を絶望させるのが好きすぎて困る。
途中から他ジャンルに完璧な浮気に走り、走った挙句向こうを先に完結させるという謎の暴挙に出たこともあり、本当に時間が長くかかってしまいましたが(その節はその、申し訳ありません)、ともかくこうしてラストまで書き抜けることが出来て良かったです。長く掛け過ぎて新作に持論を粉々に打ち砕かれ「幼馴染とか学園物って、どういうことなんだってばよ……」となったのも今となってはいい思い出です。結局あんまり学園、関係なかったようにも思いますが。
まだリクエストをいただいたのに一個しか書いていないので(重ね重ね申し訳ありません)完璧に終わり! というわけではないのですが、根気良くお付き合いくださった方、勢いで駆け抜けてくださった方、なんとなくあとがきだけお読みくださった方、全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。後半何度も失速して投げそうになったのを引き戻してくれたのは今までにいただいたコメントとそして「始めたら、終わらないとね?」と肩を叩いてくれた友人諸氏のおかげです。本当にありがとうございました。
最後になりますが、お付き合いくださった全ての方々にこの胸いっぱいの愛を捧げて、勇者と姫君の恋物語を納めさせていただきたいと思います。
2012.05.06 倉田翠
<参考>
順不同敬称略
・書籍
「ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全」(小学館)
「ゼルダの伝説 時のオカリナ上下」(小学館、姫川明)
「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」(同上)
「小説ゼルダの伝説」
・他
「Love storY」(ブロッコリー子)
<作業中BGMより一部>(ゲームミュージック抜粋)
(一部曲名がわからないものはフィールド名を表記しています)
「ゼルダの伝説 メインテーマ」(ゼルダの伝説)
「ハイラル平原メインテーマ」(トワイライトプリンセス)
「トワイライトプリンセスメインテーマ」(トワイライトプリンセス)
「傷だらけのミドナ」(トワイライトプリンセス)
「風車小屋」(時のオカリナ)
「コタケ・コウメのテーマ」(時のオカリナ)
「タイトル」(ムジュラの仮面)
「タルタル平原」(ムジュラの仮面)
「デグナッツの城」(ムジュラの仮面)
「クロックタウン三日目」(ムジュラの仮面)
「ロックビルの神殿(裏)」(ムジュラの仮面)
「大海原」(風のタクト)
「竜の島」(風のタクト)
「タイトル」(風のタクト)
「大神殿」(リンクの冒険)
「Enter The Temple Of Time」(The-MickMad氏による時の神殿アレンジ)
「ポケモンの子、N」(ポケットモンスターブラック・ホワイト)
「サヨナラ」(ポケットモンスターブラック・ホワイト)
「ENDING〜それぞれの未来へ」(ポケットモンスターブラック・ホワイト)
「決戦〜VSレッド」(Len氏によるポケットモンスター金・銀レッド戦アレンジ)
「始まりを告げる風が吹く町」(NEO☆CHEESEによるポケットモンスター金・銀ワカバタウンアレンジ)
「バトルタワー」(ポケットモンスタークリスタル)
「ドルピックタウン」(スーパーマリオサンシャイン)
「エイトメロディーズ」(マザー)
「ロトのテーマ」(ドラゴンクエストV)
「おおぞらをとぶ」(ドラゴンクエストV)
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