#4 宵闇の夢 「ここが次のプラントか・・・・・・?」 「たぶんな」 一同は次なるプラントの扉の前まで来ていた。 「これでプラントも6つめか・・・・・・早いのか遅いのかって聞かれたら遅ぇんだろうなぁ、きっと」 『まー時間はねぇからな』 アバさんがチョコラブの感想に付け足して、会話は一瞬とぎれた。 誰が何を言うでもなく、未だ眠り続ける葉へと視線を向ける。 「・・・・・・・・・・・・起きねぇな葉」 「いい夢を見ているのならいいんだけどね」 リゼルグがぽつりと洩らす。 「悪夢だったら辛いだろうね・・・・・・」 その後は誰も、何も言わなかった。 ◇◆◇◆◇ ”何故人々は我らを避けるのか?” ”我々は抗議する” ”悪魔!!” ”出てけ! ここから出ていけ!” ”どうして仲良く出来ないの?” ”鬼の子だ!” ”何故分かり合えないのだ” ”御霊会となって傍にいてくれるかい?” ”僕の巫力が続く限り――” ”あいつなんか変だよな” (いろんな感情が入り乱れてる・・・・・・どうしちまったんだっけオイラ・・・・・・?) ”葉王様、” (現在だけじゃない・・・・・・これ、平安か? これは誰かの記憶なんか?) ”葉” (ああ・・・・・・兄ちゃんの記憶か・・・・・・) 「今なら・・・・・・兄ちゃんの手、取ってもいいんかな・・・・・・」 ”約束破ったら、多分許さない” ”あたしをシャーマン界のファーストレディーにするために・・・・・・!!” ”そん時はオイラがシャーマンキングになってどうにかしてやる” ”約束守ってくれるの楽しみにしてるから” ”愛してる” 「そうだ・・・・・・アンナとの約束が、まだ・・・・・・」 (・・・・・・出れない?!) 「どうして・・・・・・?」 「出さないよ」 「に・・・・・・ハオ!!」 「もう少し甘えてくれてもよかったんだけどな・・・・・・もう意識が戻り始めるなんてね。これもやっぱり優秀なお嫁さんのおかげかな?」 「・・・・・・だからなんなんよ!」 「もうすぐわかるさ。だから、今はまだ眠ってていい」 「そういうわけにはっ」 「おやすみ、葉」 からからくるくる くるくるからから 花車に誘われ 鬼の子は目を閉じる 綺麗な夢よりも 小さな幻よりも 宵闇の深い夢を 見て眠る。 ◇◆◇◆◇ ・・・・・・さん ・・・・・・葉さん 起きなさい葉さん 葉さんを待つ人のために 葉さんの助けを求める人のために 葉王様は優しさ故心を喰われた ならばせめて葉さんは 優しさで心を守りなさい 夢から醒めて 進むべき道は確かな心で決めなさい その為ならば小生 意識もままならぬこの体 賭して葉さんの元へとゆきましょう ◇◆◇◆◇ プラントの扉が開く。 「次の十祭司は誰だ・・・・・・?」 ホロホロがいう。 そして 「さがんないとあぶない」 オパチョが警告を発した。 ドン、と派手な音がして爆発が起こる。 「くっそ・・・・・・またか・・・・・・!!」 「起きてすらいないのにこの威力・・・・・・!!」 「一撃で火の海、か」 眠り続けたまま、葉はスピリット・オブ・ファイアを使役した。いや、正確にはそうではない。だが、少なくともまわりにはそう思えたのだ。 「しかし・・・・・・葉の巫力はオレらとどっこいどっこいのはずだよな?」 「そうだな」 「あんなに大技ぶっ放しててなんで巫力がなくならないんだ?」 「さあな」 「オパチョわかるかも!」 オパチョが必死に背伸びをしてアピールする。 「オパチョしってる。オラクルベルふりょくひょうじする。やりかたわかる」 「ほう・・・・・・やってみろ」 「うんやる」 オパチョの小さな手が必死にオラクルベルを操作する。 「ほら、できた」 一同はオパチョの持つオラクルベルの画面を覗き込んで、動きを止めた。 「「「「「「135万?!」」」」」」 「何をどうしたらそうなるんだよ・・・・・・」 「ハオより上じゃないか」 「特訓の成果なのかな?」 『拙者、知らぬでござる』 「てことは・・・・・・この眠りと関係があるのかもね・・・・・・」 わからぬこと、不安なことの多さに誰からともなく溜め息が漏れた。 「葉君・・・・・・がんばってね」 遙か上、地上でまん太がそう祈ったことは、誰も知らないこと・・・・・・ 続く あとがき えっと、十祭司との戦いをもの凄い無茶な方法でカットしたのは出来るだけそこを書きたくないからです。 そこは待っていればいずれ武井先生が補完してくださるでしょうので、今無理に考えて恥をさらす必要もないんじゃあないかと思いまして・・・・・・ なんだかだんだん先の展開に詰まってきました・・・・・・いつまで続くのかな、本当に。 とりあえず現在目標は完結させることですので頑張ります。 back*top*next |